太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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完全主義の足かせ

 いろいろな政策が暗礁に乗り上げているのをみていると、非現実的な「完全主義」が足かせになっていることが実に多い。子育て支援で子供を預かるにも、万が一事故が起きたときのことを考えると及び腰になるし、大学の入試問題を予備校に外注しようとすると万が一ミスがあったときの責任が問題になる。医療や食品の安全性にしても、100%の安全はありえない。しかし、それを口にすることはタブーである。
 そして、ある部分で100%の安全にこだわっても、視野を広げてみるとあまり意味がないことが多い。たとえば100%安全な食品だけを食べていても、汚れた空気を吸わないわけにはいかないし、いつ脇見運転の車が突っ込んでくるかもしれない。医療でも同じだ。かつてインフルエンザの予防接種の副作用で何人か死者が出たとき、集団接種が中止されたことがあった。一説では、そのためにインフルエンザで亡くなる人がたいへんな数に上ったといわれる。しかし、接種で万が一死者が出たり後遺症が残ったりしたとき接種した医師が責任を追及されるのなら、接種を拒否したくなるのは当然だろう。
 現実に、すべては確率の問題なのである。確率で考え議論することが許されなければ、何ごとも前に進まない。
 (2005.3.2)
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テーマ:それでいいのか日本国民 - ジャンル:政治・経済

  1. 2005/03/02(水) 22:43:12|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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