太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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組織の革新と個人の沈滞

 「組織変革」をテーマにした組織学会の大会に出ていて、あらためて考えさせられたことがある。それは、組織の革新とメンバーの革新とは一致しないということだ。周りを見渡すと、一致しないどころか、むしろ逆相関になっていることさえ多いようだ。
 ここ数年、大学改革の大合唱のもとに各大学が入試改革やカリキュラム改革に取り組んだ。しかし、それによって学生の質が上がったとか、やる気のある学生が増えたといった話は聞かない。教員にいたっては、会議や雑務に忙殺されて研究のアウトプットが明らかに落ちている。研究の質が落ちれば教育の質も落ちる(異論もあろうが私はそう信じている)。教育の質が落ちれば学生の質が上がるはずはない。
 大学だけではない。私たちは、組織の改革や革新を唱えるとき、組織を構成する個人にどんな影響が及ぶか、そして個人がどんな反応をするかを深く考えないことが多い。
 田中耕一さんがノーベル賞をとった直後に、ある会合で島津製作所の人がつぎのように語っていたことが思い出される。「うちの会社はよその会社に比べて改革が後れている。だから田中さんのノーベル賞がでたのかもしれない。」
 最初に改革ありきの発想はたいへん危険である。
(2005.10.11)
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  1. 2005/10/11(火) 13:49:43|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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