太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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「選別主義」の終焉

 義手や義足の改良はめざましい。脊髄を損傷した人が歩けるようになったり、失明した人が視力を回復したりする夢のような時代も近づいているという。科学技術が人間のハンディを補ってくれるのはほんとうにすばらしいことだ。さらにはハンディを補うだけにとどまらず、人間と機械が一体化し、能力を倍加するような技術も開発され普及していくだろう。たとえば視力の劣った人や脳の一部を損傷した人に、健常者以上の能力を備えた機械を埋め込んだとしても、それを止めたり非難したりすることはできない。
 ところが、かりにそのような一種のサイボーグが誕生すると、入学試験などはいったいどうなるのだろうか? 普通の人と同じ試験を受けさせるのは不公平すぎるが、かといってコンピュータを埋め込んだ人の受験を拒否することもできない。彼らがごく少数の間は何とかなるかもしれないが、人間と機械の一体化が進み「サイボーグ」が溢れるようになると、現在のように限られた時間と閉ざされた空間でテストする選抜システムは機能しなくなる。もしかすると、それを契機に(特定の)人が人を評価し選別するという「選別主義」(拙著『選別主義を超えて』中公新書 を参照)のシステムそのものが崩壊するかもしれない。
 センター試験の監督をしていて、受験生の携帯電話をしまわせながら、ふとそんなことが頭に浮かんだ。

(2007/1/20)
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  1. 2007/01/20(土) 21:42:26|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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