太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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制度が不合理なら見直しを

 原子力発電所のトラブル隠し、大学の研究費や役所の予算の流用、高校の必修科目未履修・・・。こうした不祥事が発覚するたびにマスコミはモラルの低下を指摘する。監督官庁は自らの責任逃れ(?)のためもあってか、これまで以上に厳罰で臨もうとするようになった。ルールを破ると制裁を受けるのは当然だし、平気でウソをつき隠蔽する体質は困ったものだ。
 しかし、これだけウソや隠蔽が行われているということは、それなりの理由があると考えるべきではなかろうか(だからといってそれが許されるわけではないが)。たとえば非現実的なまでに厳しい一部の安全基準、硬直的で使い勝手の悪い研究費や予算制度、生徒が必要性を実感できないような必修科目などである。実際にそれらを正直に守っていると、経営も、研究も、行政も立ちゆかなくなり、受験戦争でも生き残れなくなるのかもしれない。
 かりに制度が不合理であれば、それを無理がなく現実的な制度へと改善する作業が行われるべきである。ところが「モラルの低下」で片づけたり、発覚した一部の者だけを魔女狩り的に断罪したりするだけでは、不祥事の温床になる不合理さはいつまでたっても正されない。
 非現実的なタテマエ論や完全主義は、遵法意識そのものを低下させてしまう。そして裏の世界は、逆に無法地帯と化す。それだけ危険だということを肝に銘じておくべきだろう。

(2007/3/26)
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  1. 2007/03/26(月) 10:39:25|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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