太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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あらためて、公務員たたきと、その影響について考える

 今朝の新聞記事から二つ。「警部補が巡査部長の飲酒運転をもみ消し」「国家公務員Ⅰ種試験の受験者が過去最低に」
 自らの権限を濫用して、仲間うちの不祥事をもみ消すことが許されないのは当たり前だ。ここのところ、警察官をはじめ教員、一般公務員など公務員の不祥事が報じられない日はないといってよい。また、熱意のない(逆に熱意がありすぎて暴走する)教員や、官僚の天下りも、マスコミや一部の国民から非難され続けている。
 犯罪は論外だし、教員バッシングや官僚批判にもそれなりの根拠はある。しかし・・・である。教員養成系大学の受験生が大幅に減少し、都市部では教員採用試験の競争率が2~3倍程度にまで低下している事実をどう受け止めるかだ。そして、国家公務員試験の倍率低下は前記のとおりである。こうした現状には、なぜか危機意識が薄い。
 公務員離れと公務員批判との因果関係は証明されていない。景気回復によって企業が採用を増やしたことも一因だろう。しかし、その影響を割り引いても減少幅は大きすぎる。やはり、バッシングや待遇悪化が無関係とは言いきれないようだ。
 いっぽう、仲間をかばう行為については弁解の余地はないように思える。たしかにそうだ。けれども、仲間同士でかばい合う風土そのものを根絶すると、すべてがうまくいくのだろうか。家族のような団結とチームワークによって救われた人、解決された事件はないのだろうか。もちろん、だからといってルール違反が許されるわけはない。
 そこで必要なのは、教員のゆとりを減らし、公務員制度を改革して天下りを規制し、警察官の仲間をかばう風土を一掃したときに、それが中・長期的にどんな影響をもたらすかを考える推理力、洞察力だろう。そして、彼らのモラール(士気)を下げることなく、同時に職業としての公務員の魅力を高めながら、現状の問題を解決していかなければならない。まちがっても「角を矯めて牛を殺」したり、「産湯と一緒に赤子まで流」したりする愚を犯すべきではない。
 「待遇が悪いからといって逃げるような教員志望者は最初からお断りだ」と強気にでられるような状況ではないし、「志や使命感がたりない」といって嘆いたり精神論を繰り返したりするだけではなんの前進もない。また、給与など金銭面の待遇改善で乗り切ろうとするのも安易すぎる。
 では、どうすればよいのか? 私なりの提案はあるが、それは別の機会に述べることにしたい。

(2007/4/24)
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  1. 2007/04/24(火) 14:24:45|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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