太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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連帯責任の罪

 テニスの名門私立高校で部内の傷害事件が発覚した。連帯責任をとらされた部員による暴行もあったそうである(連帯責任を科した者が誰かはともかく)。こうした事件が起きるたびに、連帯責任がいかに不条理で陰湿なものかをあらためて痛感する。
 野球、ラグビーなどの団体競技では部員の不祥事が発覚すると、チームが出場停止などの処分を科されてきた。そして私たちは、それを当然のように受け止めてきた。いうまでもなく連帯責任は江戸時代の「五人組」を受け継いだもので管理する側からすると便利な制度だ。
 その反面、個人や社会の立場からすると、きわめて卑劣かつ危険な制度である。一部の者が不祥事を犯したためにチームに出場停止などの処分が下された場合、当人は他の部員からはもとより、所属する学校などの組織、地域などあらゆる関係者から非難やバッシングを浴びることになる。卑劣さの本質は、<処分する者>対<処分させる者>の間の緊張関係を<無関係な者>対<処分される者>に転嫁してしまうところにある。すなわち、処分する側にとっては自分の手を汚さず(というと言い過ぎかもしれないが)に無関係な者からの圧力によって制裁を加えるわけであり、いわば間接的なイジメである。非難やバッシングがときには暴力や人権侵害に発展することも当然、予見できる。それでも連帯責任を科した者に、はたして責任がないと言えるだろうか。
 連帯責任というものの「罪」をもっと認識し、早急に根絶すべきである。とりあえず、連帯責任を負わされた者は怒りの矛先を<処分する者>にも向けてよいのではないか。

(2008/11/13)
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  1. 2008/11/13(木) 17:00:02|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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