太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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分権論議に国民の声が聞こえない

 全国知事会議が何党を支持するか話題になっている。マスコミは知事にばかりスポットライトを当てるし、知事は自分たちこそ国民、住民の利益を代表していると信じ切っている(実際、選挙で選ばれたのだし、そう信じていなければ政治はできないが)。それに対し、国は押されっぱなしで守り一辺倒に見える。
 そこに大事なものが欠けていないか。それは、いうまでもなく国民、市民の視点である。正直に言えば、国民にとって国と自治体の綱引きでどちらが勝とうと直接関係がない。問題は、国民、市民にとってどちらが得か(と言えば語弊がありすぎるなら利益が大きいか)、そして公平・平等かである。
 たしかに東京をはじめ、地元に税金がたくさん落ちて経済力の豊かな自治体は、地方分権が進めば住民の利益にも直結する。しかし、過疎地域をはじめ財政力の劣る自治体の住民にとっては、むしろ中央集権で国に均霑を仰いだ方が利益は大きいはずだ。分権が進めば、個人の責任によらない地域格差がますます広がることはたしかである。
 過疎地域の知事や市町村長の選挙には、「地方分権反対!」を掲げた候補者がもっとでてこないものだろうか(※首長がこぞって分権推進派なのは、おそらく自身の個人的利益・欲求=自らのプレゼンスと権力の拡大 が絡んでいるからだろう)。
 またマスコミには、地方分権について議論する際には、自治体の首長だけでなく、国の代表、そして国民、住民(それも都市と地方の両方)を加えるように要望したい。

(2009/5/20)
 
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  1. 2009/05/20(水) 10:18:07|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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