太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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団結と異論

 「今の組織では同僚を信頼できますか?」
 「職場の仲間が仕事に行きづまったり、困ったりしたら助けますか?」
 「あなたは自身のノウハウ情報を仲間に進んで教えますか?」

 いずれの質問でも、「イエス」と答えた日本人は欧米人に比べて著しく少ない。かつて新聞にも紹介された、ある調査結果だ。
 日本社会、日本の組織では常に全会一致を旨とする。反対意見があると前に進まない。そのため異論を唱える者がいると、抑圧したり排除したりする。そもそも感情的に許せないのだ。
 当然ながら、今回の震災のような非常時にはいっそうそれが強くなる。

 非常時にはみんなが団結し、助け合わなければならない。しかし、そこで異論を排除し、また不用意な発言をした人を徹底的にバッシングすると、かえって団結が損なわれることがある。表面的には一致団結しているように見えるが、抑圧された異論、バッシングされた人たち、あるいは異論に共感する人たちが、納得しないまま水面下で不満を抱え、団結の足を引っぱり共同体にひび割れを生じさせる。
 冒頭に紹介した調査結果も、それを示唆しているように思える。

 だれでも絶対的に正しいと思っていた考えが、あとで冷静になってみると間違っていたと気づいた経験があるだろう。「これは絶対許せない」といきり立って非難したことが、別の見方をしたら、あるいは相手の言い分を聞いたら納得できることもある。

 異論や少数意見。個人的な利害の主張。それらに耳を傾けたうえで協力できる道を探っていくほうが、遠回りのようでも結局は、有効な団結への道につながるに違いない。日本人の成長、度量が試されるときだ。

(2011/3/24)
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  1. 2011/03/24(木) 11:07:57|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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