太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

「最適基準」と「満足基準」

 学者や識者の中には、マスコミから取材を受けたとき、記事内容について確認を求めたり、細かいところにこだわって修正を要求したりする人がいる。記者の立場からすると、よほど「余人をもって代え難い」人でないかぎり、面倒なのでもうあの人に取材するのはやめようと思うだろう。

 講師をを招聘するときや専門家を採用するときも、「面倒な」人は敬遠される。
 本人は自分の存在を過大評価し、あるいは「実力主義」のタテマエを信じてしまいがちだが、本当のところは「代わりはいくらでもいる」のだ。まして企業や役所の採用人事などになると、「余人をもって代え難い」新人などいるはずがない。

 H・A・サイモンは意思決定のメカニズムについて、最適の選択肢を探す「最適基準」と、一定の水準を満たしていたらよしとする「満足基準」に分け、マネジャーは通常「満足基準」で意思決定していると述べた。

 取材をするときも、講師を招くときも、また人を採用するときも、人選する側にとってだれを選ぶかは正直なところそれほど重大な関心事ではない。たいていは「満足基準」で選んでいるのである(いっぽう本人は丁重に扱われると「最適基準」で選ばれているかのように勘違いしてしまう)。
 人選する側にとって、人材の優劣の差よりも、煩わしさの差のほうが実は大きいのだ。だから、「面倒な人はやめておこう」となる。

 それを考えたら受ける側は、それとなく「私は面倒をかけませんよ」とアピールするのが意外と有効な戦略かもしれない。まじめな話。
 
 (2012/7/3)
スポンサーサイト

テーマ:ブログ - ジャンル:ブログ

  1. 2012/07/03(火) 18:40:36|
  2. 過去
  3. | トラックバック:1

プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

最近の記事

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。