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太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

無意識の承認欲求がもたらすもの -心の中に潜む"モンスター"をいかに制御するか-

 「承認欲求」という言葉が若者たちの間で流行っていて、もはや「準流行語大賞」といった勢いです。奇抜な言動や細工を施した顔写真などをインスタグラムやツイッターに投稿したり、わざとウケを狙って話を盛ったりするのが承認欲求からくるものだというわけです。
 たしかに、それが承認欲求からきていることは間違いありません。しかし、そうした言動は法を犯し、他人に迷惑をかけないかぎり、それほど有害でも危険でないことが多いものです。
 むしろ危険なのは、自分も周囲も承認欲求に動かされていると気づかない場合です。無意識の承認欲求が自分を追いつめてときには自ら命を絶ったり、他人や組織を窮地に陥れたりすることがあります。その芽はだれの心の中にも存在するし、たいていの人がそれを経験していることが意識調査からも明らかになりました。しかし、それが承認欲求のなせる業だと気づかなければ対策も打てません。
 私はこれまで承認欲求の「光」の部分に焦点を当て、それがいかに前向きな行動を生むかを多くの実験や事例で示してきました。しかし一方で、承認欲求には「影」の部分があり、その危険性がとても大きいことにも気づいていました。調査結果もそれをはっきりと示しています。
 近刊『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書、2019年2月刊)では、学校の生徒から官僚や会社員、そして有名なスポーツ選手など多くの具体的ケースを分析しながら、隠れた承認欲求が、いかに重大な個人的・社会的問題を引き起こしていくかを説明しています。そのうえで、人の心の中に潜む"モンスター"をどう制御すればよいかを定式化して示しました。本書をひとつのきっかけにし、承認欲求の奥深さを考えていただけると幸いです。

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  1. 2018/12/24(月) 11:59:25|
  2. 新刊紹介
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書) 
『「ネコ型」人間の時代』(平凡社新書)
『ムダな仕事が多い職場』(ちくま新書)
『なぜ、日本企業は勝てなくなったのか』(新潮選書)
『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)
『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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