太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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またまた連帯責任

 企業スポーツは、いわば会社の看板だ。だからこそ企業はチームに多額のお金をつぎ込んで支援する。その分、チームは企業イメージを損なわないよう気を遣わなければならない。大不況で会社がギリギリまで経費を削減している時期だけに、気の遣いようも相当なものだろう。
 今年のラグビー日本選手権では、トップリーグ1位の東芝が一外国人選手が犯した大麻事件の責任をとり、準決勝への出場を辞退した。1位のチームが出ないとなると、優勝争いの興味は半減する。横綱が出ない大相撲と同じだ。
 出場を辞退した背景には、もしかすると企業イメージに対する気遣いがあったのかもしれない。たとえ一人の選手が犯した不祥事でも許さず、組織として深く反省し責任をとるべきだと。天下の東芝にこれ以上マイナスイメージが広がったら大変だ、というのは理解できる。
 しかし、一選手の起こした不祥事でほかの選手が連帯責任をとらされたことはマイナスイメージにつながらないのだろうか? 以前このブログにも書いたように、連帯責任は表向きは潔く見えて、実はきわめて陰湿で非人間的な側面を持つ。私個人としては、そうした悪弊を絶つために、当該選手には毅然とした態度をとるとともに、チームはあえて出場に踏み切ってほしかった。そのほうが進取的で個人を大切にする企業イメージが植えつけられたような気がするのだが。マスコミや世論の理解と支持がまだ得られそうにないと判断したのだろうか。

(2009/2/15)
 
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  1. 2009/02/15(日) 21:46:24|
  2. 2006年
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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