太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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浪人生へのワクチン接種と地方分権

 今日の新聞によると、沖縄県で余った新型インフルエンザのワクチンを浪人生に接種しようとしたところ、国から「待った」がかかったそうだ。浪人生は接種対象とならない「健康な19~64歳」に該当するので接種が認められないのだという。
 これも、地方分権の問題を考える格好の材料である。
 一見すると国の対応は杓子定規すぎるように思える。浪人生も同じ受験生なので現役生と同等に扱うべきではないか、という意見もある。
 たしかに、全国の浪人生に接種を認めるならそれもいいだろう。また現実にありえない話だが、沖縄県の浪人生が県外の大学を受験しないのなら問題ない。しかし実際の受験は県境を越えて行われる。そうである以上、沖縄県の浪人生だけ接種を認めるのはやはり不公平だ。
 忘れてならないのは、入試は教育ではないということだ。教育なら各地域が独自の取り組みをしてレベルの向上を競うというのもよかろう。しかし入試は言ってみれば一種の必要悪であり、それを過熱化することに意味はない。しかも典型的なゼロサムゲームである。仮に沖縄県の浪人生に予防接種をすれば、県外の浪人生からは「自分たちにもしてくれなければ不公平だ」との声があがるだろう。
 入試以外にも同じようなことはたくさんある。分権と平等。何度も言っているように、これは大きなテーマである。

 
(2010/1/15)
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  1. 2010/01/15(金) 20:45:32|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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