太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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「アンチ巨人」も巨人ファン

 私が本を出したり新聞や雑誌に原稿を書いたりすると、ブログや雑誌などでそれを批判する(してくれる)人がいる。正直なところ、私はそれをありがたいと思っている。批判されるのはそれだけ注目してもらっている証拠だし、批判の内容はつぎに執筆する際の参考にもなる。
 もっとも私の場合、批判的なコメントは全体のせいぜい数%だから歓迎できるのかもしれない。
 ベストセラーをたびたび出すある人が、こう述べていた。著書の実売部数が数万部くらいまでだと読者の大半は著者のファンだが、10万部を超えると批判的な読者が急増するそうだ。
 これはベストセラー作家にかぎった話ではない。たまたま自分の名が世間に知られると、情報化社会では四方八方からさまざまな声が届く。
 たいていの人は、見ず知らずの人から批判されたりけなされたりした経験を持っていない。免疫がないので、匿名の批判者が急増すると冷静さを失う。そして、なかには感情的に反論する人もいる。それが火に油を注ぐ結果となり、自分のブログが炎上したり攻撃的なメールや手紙が殺到したりすることもある。そうなると精神的にまいってしまい、心身に変調をきたす人もでてくる。おそらく、世の中全体が自分を敵視しているような錯覚に陥るのだろう(実際はだれも他人のことなどそれほど強く意識してはいないのだが)。
 だいじなのは、そのときにどれだけ自分の立場を広い視野から、そして長期的にとらえられるかだ。
 ある調査によると、バンクーバーオリンピックに出場した選手のなかで認知度が最も上がったのは、服装問題でバッシングされた國母選手だったそうである。世間の評判も当初は批判的だったが、今ではむしろ彼に好感や同情を抱いてる人のほうが多いのではなかろうか。スノーボードをマイナーな競技から、かなりメジャーな競技へ引き上げた功労者とも言える。
 「アンチ巨人」も入場料や視聴率に貢献するという点では巨人ファンと同じである。それどころか、アンチ巨人がいるから巨人ファンも増える。そう達観できればよいが、「言うは易し行うは難し」だ。
 幸か不幸か私には無縁の話だが。

(2010/3/11)
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  1. 2010/03/11(木) 11:00:07|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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