太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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「見せかけの勤勉」の正体

 ゴールデンウィークの真っ最中だ。しかしデパートやスーパー、それに行楽地などはかき入れ時だ。連休だといってのんびりしている人は全体からみると一部に過ぎない。

 昔から指摘されているとおり、日本人ほど長時間、休みも取らずに働く国民は少ない。この不況下でも正社員の労働時間はけっして短くなっていない。先日、大教室の授業で学生たちに訊いてみた。「不況に入る前と比べてお父さんやお母さんの帰宅時刻はどう変わったかか?」と。すると、「早くなった」という者より「遅くなった」という者のほうが明らかに多かった。

 私は海外のいろいろな国の企業を見て回っているが、どこの国でも残業は例外的にしか行わないし、有給休暇は全部取得する。また働きぶりをみても、日本人のほうがはるかに勤勉である。

 しかし、見た目だけではわからないものだ。最近発表された各種の意識調査によると、日本人の仕事に対する「熱意」、「やる気」、それに仕事に対する満足度は国際的にみてきわめて低い水準にある。『世界でいちばんやる気がないのは日本人』(可兒鈴一郎)という本があるが、それがまんざら誇張ではないことがわかる。
 熱意ややる気だけでなく、労働生産性、国内総生産、国際競争力といった指標も急降下している。

 見た目の勤勉さとほんとうのやる気、仕事の成果との間に、なぜこれほど大きなギャップが発生したのか?
 そのナゾを解かないことには、社員のやる気も生産性も上がらない。また労働者は疲弊し、国力は低下するいっぽうだ。ガンバリも単なる自己満足で終わってしまう。というより、その「ガンバリ」のなかにナゾを解くカギが隠されている。

 日本人のやる気を奪っているものは? 負のスパイラルから脱却するには?
 それを解明してみた。

◆拙著『「見せかけの勤勉」の正体』PHP研究所、2010年5月刊。

(2010/5/1)
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  1. 2010/05/01(土) 13:44:17|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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