太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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「部分最適」と「全体最適」

 「どんな災害に遭っても絶対に壊れない家を造ってほしい」。そんな依頼をしてくる人が、世の中にはある一定の割合で存在すると建設会社の人が話していた。

 ある知人は、交通事故に遭ってもけがをしないようにと、燃費の悪い大型車に乗っている。その一方で彼は、いつもバイクを飛ばしながら通勤する。「バイクでけがをする確率のほうが何十倍も高いぞ」と忠告しても耳を貸さない。車が川に転落したときシートベルトを締めていたので脱出できなかったというニュースを見て、それ以来シートベルトは危険なので締めないという人もいた。

 私も人のことは言えない。メタボのイエロー・カードを突きつけられてから、コーヒーに砂糖を入れるのを我慢しているが、食後には甘い物が欠かせないし、酒量は減らせない。
 
 一つのことを考え続けるうちに、全体の中で占めるそのことのウエイトや位置づけを忘れてしまうのはよくあることだ。

 さまざまな安全対策にしても、絶対に安全ということはありえない。結局は安全確率をどこまで上げるかという話になる。その際には、万が一の時にどれだけの被害が出るか、そしてその危険性が他のリスクと比べてどうなのかといった全体的視点がやはり不可欠だろう。

(2011/7/11)
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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