太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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怠惰な子ども時代を?

 人間は比較する生き物だな、と感じることが多々ある。他人と比較して満足したり嫉んだりするだけではない。過去の自分とも比較するのだ。
 マラソンブームが続くなか、40代、50代になっても各地のマラソン大会をはしごしている人が少なくない。なかには若者顔負けの好記録を出している人もいる。意外なのは、彼らの多くが学生時代には陸上競技はおろか、運動部にも入った経験がないことである。聞いてみると、自分でもこれだけ走れたというのがうれしく、自己記録をつぎつぎに更新するのが楽しいらしい。
 逆に学生時代にスポーツに打ち込んだ人のなかには、中年太りで運動などまったくしないという人が目立つ。
 スポーツだけではない。大人になってやたらモチベーションの高い人が、昔は何事にも怠惰だったという話をよく聞く。
 子どものころに受けたスパルタ式の練習や勉強が運動嫌い、勉強嫌い、仕事嫌いにしてしまったことは事実だろう。しかし、それだけではないような気がする。おそらく人間は過去の自分と競争していて、過去の自分に勝ったときに達成感や成長の実感を味わうのである。
 そう考えたら、子ども時代にトラウマを植えつけないだけでなく、記録の面でも精神的エネルギーについても「余力」「伸びしろ」をあえて残しておくことが必要かもしれない。少年・少女時代に何事にも打ち込めず、充実した生活を送れなかった人は、それをマイナスに考えなくてもよいのである。
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  1. 2015/06/30(火) 09:02:35|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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