太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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立場や背景を洞察すれば、「やる気」アップの処方箋は書ける

 仕事はもちろん、スポーツでも勉強でもモチベーションが頻繁に論じられるようになった。それだけモチベーションのウエイトが高まったといえるし、その理解が進んだことも事実だ。巷にはモチベーション・アップを説いた書物があふれている。

 しかし私が物足りないのは、研究書にしてもビジネス書にしても、モチベーションの理論やノウハウは説いているが、その人(相手)の置かれている立場や背負っているもの、そこから生じるホンネに対する洞察が不足していることである。実際に生じるモチベーションは、それに大きく左右される。

 たとえば営業マンがお客さんと交渉するとき、「この条件をのんだら上司はどう言うだろうか」「部内で周りをどう説得しようか」などと考えている。あるいは、早く交渉を終えなければデートの約束に間に合わない、とイライラしながら交渉しているかもしれない。
 また遅くまで残業する人の中には、仕事で成果をあげていないので、上司に評価されるためせめてがんばっているところを見せようと意識している人もいる。楽しい職場をつくろうとしても、「自分は成功するためにこの会社に入ったのだから、楽しく働きたいとは思わない」という人もいる。
 若者が「指示待ち」になったのも、昇進を望まない社員が増えたのも、それなりに合理的な理由がある。
 さらにいうなら、仕事が楽しい、面白いと感じるか、感じないかも潜在意識の中に存在する理由に左右されるのである。

 ところがわが国の職場にしても、社会にしてもホンネを表に出しにくい。だから、たいていの人がほんとうの理由を表に出さない。ほんとうの理由を隠しながら目的を達成するためにとんでもない行動に出る場合もある。
 だからこそ、その人の置かれている立場や背景から、洞察することが必要なのである。

 人によって価値観はさまざまなので、一人ひとりの気持ちを考えていたらきりがない、といわれるかもしれない。
 しかし、背景を冷静に分析すれば、その多くは推測できる。そしてオーダーメイドの対策が打てる。これまで、その努力を怠ってきただけなのだ。

 近著 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』 (日本実業出版社、2016年7月刊 Amazon、楽天などで予約受付中)では、職場や生活の背景、個人の本音に焦点を当てながらモチベーション・アップの方法を説いています。社員や部下の動機づけはもちろん、自分自身の「やる気」を高めるのにも役立つはずです。

(2016/6/29)
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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