太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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「植木等でいこう」か

 「サラリーマンは、気楽な稼業ときたもんだ・・・」何十年も前にヒットした植木等の歌だが、サラリーマンの今昔を対比させるのに便利な歌として最近しばしば登場する。リストラ、成果主義、ノルマ、サービス残業・・・と、今のサラリーマンはとても気楽な稼業ではないと言いたいわけである。
 しかし、小さな商店を経営するある人が大企業社員の仕事ぶりをみて、「やっぱり気楽だな」とつぶやいた。彼によると、大企業の社員が会社に忠実で遅くまでがんばっている姿には感心するが、成果との結びつきを考えると実に無駄が多く、それでも務まるのはやはり気楽なのだそうだ。
 振り返ってみると、「二十四時間戦えますか」というCMが話題になり、モーレツ・ビジネスマンを描いた漫画やドラマがヒットした頃から、サラリーマンの世界にもハードワークに自己陶酔するような風潮が広がってきたように思える。
 けれども冷静に考えてみれば、サラリーマンはあくまでもサラリーマンであり、成果主義や抜擢人事が広がったといっても、組織と個人の関係そのものが根本的に変わったわけではない。すべてを犠牲にして仕事にのめり込んでも、必ずしもそれが報われるという保証はない。それでもがんばらねばならないと言われるかもしれないが、いっぽうにがんばることを無条件に肯定している自分がいはしないか。
 スポーツや勝負事の好きな人ならわかると思うが、ストイックな姿勢で肩に力を入れて取り組むほどよい結果が出るとは限らない。壁にぶつかり、上達をあきらめて気楽にやったら意外なことに以前よりもうまくできた、という経験をもつ人も少なくなかろう。
 成果主義だ、ノルマだといった言葉に追いつめられ強迫観念に陥ることなく、「たかが・・・」という冷めた気持ちをどこかにもちながら仕事をした方が、精神衛生上よいことはもちろん、結果的に仕事もうまくいくかもしれない。
 (2004.5.26)
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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