太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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せっかち

 他人はどう思っているか知らないが、私はかなりせっかちな性分だと思う。会議などは長引くとほんとうにイライラするし、原稿は依頼されてすぐに書いてしまわなければ落ち着かない。本を書くときなどは、いつも編集者に「校正はまだか」「早く出版を」などと矢の催促をしている。
 せっかちなためか、何でも先のことを考え取り越し苦労してしまう。たとえば、寒さに弱い私は、昔から冬が嫌いで夏が好きだ。しかし夏になると、もう冬が遠くないことを考え不安になる。だからだんだんと好きな季節が前倒しになり、最近は冬がいちばん落ち着く。今が最悪なのだと思えば不安がないばかりか、不思議なことに冬の趣を楽しめるようにさえなってきた。
 だれも経験があると思うが、子供の頃は日曜日より土曜日がいちばん楽しかった。それもだんだんと前倒しになって、高校生の頃は月曜日の朝になると妙に安心感を覚えたものだ。
面白いことに、サラリーマンにも月曜日がいちばん爽快だという人がいる。「嫌い」を「好き」に転換したのだから評価すべきかもしれないが、私はそこにある種の病的なものを感じずにいられない。
 自分の話に戻すと、原稿を早く出すのが習慣になると、何かの事情で締め切りが迫ったときにはパニックに陥りそうなことがある。困ることはそれだけではない。ときには雑誌の編集者から、「締め切りまで間があるのでもう少し分量を増やしてください」といった注文がきて余分な時間をとられることもある。そこで最近は、自衛策としてわざと執筆を後回しにしたり、早めに書いても締め切りが近づくまで原稿を手元にとどめたりするようにしている。
 月曜日がいちばん好きだというサラリーマンにも、その勤勉さに自己満足していると、知らず知らずのうちに「燃え尽き」や「過労死」の危機が忍び寄っているかもしれない。せっかちや几帳面も度が過ぎると病的だということを自覚し、意識的にそれを捨てる努力をしてみてはどうだろうか。
 (2004.7.27)
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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