太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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事故

 JR福知山線の事故は死者が百人を超える大惨事となった。ニュースを見るたびに昔の陰鬱な気分がよみがえってきた。いつのことだったか思い出してみると、私が子供のころ、何度も発生した炭鉱事故のことだとわかった。真っ暗な地中から亡くなった人がつぎつぎに運び出されるのを目にすると、しばらくは食も進まなかった。炭坑がつぎつぎに閉山に追い込まれ、やがて国内から炭坑が消えると、正直なところホッとしたものだ(生活がかかっている人には申し訳ないが)。
 命の価値は平等であり、どんな亡くなり方をしても気の毒だが、今回の列車事故のように通勤や通学でたまたま乗り合わせた人が被害に遭うのはいっそう理不尽なものを感じる。「真面目にがんばっている人がなぜ・・・」という思いである。
 こうした大事故の陰に隠れて見過ごされがちだが、毎年おびただしい数の人たちが、労災や交通事故で命を落としている。しかも、その大半は注意や対策によって防げたはずである。過酷なノルマの押しつけ、飲酒運転の見過ごしなどは、未必の故意に近い。「事故の半減によって毎年一万人の命を救う」という公約を掲げて総裁選に立候補する人が出てこないものか。
(2005.5.2)
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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