太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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良薬は口に苦し

 学生から「どんな本が良い本か?」と訊かれたとき、「内容が記憶に残る本」と答えることにしている。ベストセラーのなかには、納得しながらスラスラと読めて、「なるほど良い本だった」と思える本が多い。おそらく、読んだあとの勢いで評価するのでベストセラーになるのだろう。しかし数ヶ月もたつと、いったい何が書いてあったのか思い出せないことがある。数年もたつと読んだことさえ忘れてしまい、ときにはもう一度買いそうになる。
 いっぽう、読んでいるときは退屈で投げ出したくなるが、不思議なことに何年たっても中身が鮮明に思い出せる本がある(退屈なだけの本のほうが圧倒的に多いのだが)。また、自分の考えや主張が否定され、読んでいて実に不快だけれども、ときがたってみると自分がその本から大きな影響を受けているのに気がつくこともある。
 いわゆる古典のなかには、面白くなくても自分の血肉になる書が多い。しかし今日のように書籍流通の回転が速いと、せっかく良書が生まれてもすぐに店頭から姿を消し、日の目をみずに終わってしまいかねない。逆に、センセーショナルに話題を呼んで、メッキがはげないうちに「売り逃げ」をするような出版戦略をとっている会社もある。こんな出版社は、そもそも老舗になろうなどという気は毛頭なく、近いうちに出版業から手を引き、別の儲かる商売を考えているのかもしれない。
 人間というものは本能的に「快」を好み「不快」を避けようとするものだ。そのため、本能のまま生きていると、諫言してくれる人を避け、ゴマすりばかりを周りに集め「裸の王様」になってしまう。読書にも同じことがいえるのではなかろうか。
(2005.5.14)
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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