太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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巨人・大鵬・卵焼き

 日本相撲協会の定年を迎えた元大鵬親方が、インタビューで「巨人・大鵬・卵焼きと言われるのは好きではなかった」と話していた。「巨人は金と人気にものをいわせていい選手をつぎつぎに集めてくればよい。しかし自分は裸一貫でここまできたんだ」。子供のころからあまのじゃくだった私は、物心ついたころからアンチ巨人、アンチ大鵬だった。しかし、その言葉を聞いて、大鵬には悪いことをしたなという気がした。
 大企業や景気のよい会社には、実力がなく、成果もあげていないのに恵まれた待遇を受けている人がいる。いっぽう中小企業や景気の悪い会社、それに自営業・自由業だと実力や業績が優れていても所得の低い人がいる。
 同じ会社にいる以上、できる人とそうでない人との間に処遇で大差をつけない平等主義は「人間尊重」だと信じられてきた。しかし、一つの会社の中にいる以上、処遇に大差をつけないということは、会社が違えば同じ実力でも大差がつくことを意味する。要するに、社内の平等をとるか、社会的平等をとるかである。
 私は、社会的平等をとる方が社会的な正義にかなっていると思う。そのためには、企業の自由を制約しても個人の自由・平等(公平といった方がよいかもしれない)を守るべきだし、冨の再分配のためには、一面で「大きな政府」が必要になる場合もあろう。
 パリーグにいるとレギュラー選手でも顔が知られず、巨人にいるだけでスターになれるのはやはり不公平だ。
(2005.5.31)
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  1. 2005/05/31(火) 13:28:50|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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