太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

自分の名を出す権利を

 近著『認められたい!』にも書いたことだが、最近はホテルのボーイやレストランのウェイトレス、それに役所の窓口職員も大きな名札をつけて仕事をするのが当たり前になった。そして近くには、応対やサービスについて意見を入れる箱(目安箱?)が置いてある。NTTの番号案内でも必ず、「○○がお答えしました」と担当者が最後に名のる。スーパーでは、レシートにレジを打った人の名前を入れるようにしたところ客からの苦情が4分の1に減ったという。
 ところが会社の中では、優れたアイデアを出しても製品開発に貢献しても、「仕事は組織でやっているんだ」というタテマエのもと、発案者や開発者の名は出されないことが多い。そして結局、手柄は組織のトップである長やリーダーのものになってしまう。最近はやりの知識創造や情報共有にしても、期待どおりの成果があがっていないケースが多いそうだが、考えてみれば当たり前だ。それどころか、ときには匿名性を逆手に取った犯罪や不祥事につながるケースもある。
 そもそも、ボーイ、ウェイトレス、窓口職員のように責任だけ問われるような仕事では名前を出させ、企画や開発といった功績をあげられる仕事では名前を出させないのは、あまりにも身勝手すぎないか。
 私は、知的財産権の理念を広く反映させ、少なくとも個人の創造性が発揮されるような仕事では自分の名を出して仕事をする権利を認めていくべきだと考えている。それは、個人の承認欲求を満たし、将来のキャリア形成にもつながるうえ、個人のモチベーションが向上し、仕事に対する自覚が高まれば、組織にとっても大きなメリットがある。しかも社員や職員の名を出すことにはコストもかからない。「個人の名を出す権利」を尊重する運動を広げていきたい。
(2005.7.10)
スポンサーサイト
  1. 2005/07/10(日) 13:32:28|
  2. 過去
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<他人のフンドシで相撲を取る輩 | ホーム | 別れ>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ohtahajime.blog50.fc2.com/tb.php/36-f4d3dea5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

最近の記事

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。