太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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相手によって態度を変える人

 ボサボサの頭でジーンズをはいて役所の友人を訪ねた。すると係長らしき職員が出てきて私を睨みつけ、「用件は?」と、まるで取り調べのような訊き方をする。ところが別の日にスーツを着て訪ねたときには、「ご用件をお聞きしましたでしょうか?」と別人のような口の利き方になった。相手によって極端に態度を変える人はどこにでもいるものだ。
 上の者にはへつらい、下の者には横柄な態度をとる人も少なくない。そのような人はたいてい評判が悪い。でも私はそういう人が必ずしも嫌いではなくなった。それは、つぎのように考えるようになったからだ。
 上と下で態度を変える人は、無意識のうちに自分がどれくらい偉いかを位置づけている。だから自分より上だと認める人にはへりくだり、下だとみなした人には横柄なのである。自分の「分を知る」という意味では謙虚な人だといえる。
 それに対して、だれに対しても分け隔てなく接する人は、もしかすると自分が一番偉いと思っている不遜きわまりない人かもしれない。だからこそ、だれに対しても態度を変えないのではないか。
 あらためてそう考えたら、一瞬しゃくに障った係長の顔が愛すべき忠犬の顔のように思えてきた。役所の窓口などでイヤな経験をした人は、そう考えれば怒りも少しはおさまり、投書をして本人を傷つけることもないと寛容になれるだろう。
(2005.11.12)
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  1. 2005/11/12(土) 13:52:16|
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  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

 役所に、意識的にスーツをきて来られる方は「役人は外見に弱いから外見で牽制しよう」という内見の弱い方のようです。外見で牽制できる間はご機嫌よろしいのですが、正味..で形勢が悪くなると大声で罵ったり「上を呼べ」を連呼。「市民の言うことがきけないのか。市民を何だと思っているのか」までは兎も角、「おまえなんか辞めろ。知り合いの議員に言ってクビにしてやる」と超法規発言もとびだします。
 とびきりの普段着でしょっちゅう役所に来られる方を役所では「有名人」と呼びます。不祥事が報道された日には嬉々として乗り込んで来られます。職員の態度、言葉遣いから、書類の置き方、カウンター配置、照明や冷暖房に至る「何でもあり」のお叱言が発せられ、「ろくに仕事もせんやつに高い給料払うのは税金の無駄使い」。最後、やはり大声で罵って〆とされます。
 役所に限りませんが、クレイマー対応で「鬱」症状になられる方はかなりの数に上ると思います。私の勤務先では、鬱症状による長期(3月以上)休職が1%余、休職にまで至らない予備軍がその10倍は下りますまい。「クレーム対応研修」も、効果のほどは..。
 街を歩けば大なり小なりのクレイマーだらけ。もしかすれば、復讐!としてのクレイマーもいるのでは、と思います。役所へのクレイマーには少なからず他の役所のOBがおられますし..。先生の「組織論」の関連研究?として「クレイマー論」を考えて頂きたいところです。
  1. URL |
  2. 2006/06/16(金) 11:29:11 |
  3. #KRLzGGpg
  4. [ 編集]

クレイマーへの対応

 クレイマーの問題、本腰を入れて考えなければなりませんね。
公務員は全体の奉仕者であって一部の人の奉仕者ではないはずですが、「住民の声に耳を傾ける」という姿勢を逆手に取られている感じがします。いずれにしても、これではまじめな市民の「参加」機会まで奪われてしまわないか心配です。
 クレイマー対策には、何よりもトップが聞くべきこととはねつけることとの基準をはっきり示し、毅然とした態度をとることが必要ではないでしょうか。でも、さまざまな圧力団体に対する弱腰の姿勢を見ていると、なかなかそれも期待できそうにありません。結局は、一票を投じる選挙民のレベルに依存するのでしょうか。そうだとしたら、健全な世論形成が第一でしょう。
 力があれば取り組みたいテーマではあります。
 コメント、有り難うございました。
  1. URL |
  2. 2006/08/27(日) 09:21:26 |
  3. 太田 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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