太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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「外向き・・・」もう一つの効用

 私は、結婚式のスピーチで「幸せな家庭をつくりたければ、幸せな家庭をつくろうと思いすぎない方がよい」という言葉を贈ることにしている。幸せな家庭をつくろうとまじめに考えすぎると、些細なことまで気になってストレスがたまったり、相手に過大な要求をしてけんかになったりする。健康に気を遣いすぎて体調を崩す「健康ノイローゼ」も同じだ。
 私自身もしばしばこうした経験をする。たとえば、本を書き終えたとたんに日常の些事が気になりだす。脱稿したことは編集者以外のだれにも知らせないが、私が急に口うるさくなるので家人はすぐに気がつくらしい。
 皮肉なもので、大学でも会社でも組織をよくしようと熱心になるほど、かえって効率も人間関係も悪くなることがある。まるで、もがけばもがくほど逃げられなくなるアリ地獄を見ているようだ。
 いずれも、メンバーの意識が「内向き」になってしまって、組織がいわば自家中毒症を起こしているのである。したがって、それを防ぐにはメンバーが常に外を向いて活動し、組織はあくまでも手段だという原点に返ることが必要だ。もちろん家庭のように、かりにそれが組織だとしても<手段>とは割り切れないものもあるが、それでも「幸せな家庭づくり」を究極の目的あるいは最大の生き甲斐としない方が、結果的に幸せな家庭になりそうな気がする。
 近著『外向きサラリーマンのすすめ』では、「外向き」で働くことによって、「内向き」では夢のような可能性が開けてくることを強調したが、「外向き」にはここで述べたような副次的効果もあることを付け加えておきたい。
(2006.1.20)
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  1. 2006/01/20(金) 13:59:25|
  2. 2006年
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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