太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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駒大苫小牧高のセンバツ出場辞退に思う

 「またやってしまった!」。駒大苫小牧高部員の飲酒・喫煙問題についての印象である。「また」というのは、作夏につづいて同校の不祥事が繰り返されたという意味でもあるが、それよりも不条理な連帯責任で罪のない選手の夢と権利を奪ってしまったことのほうが残念だ。
 今回の件では、センバツに出場が決まっていた1,2年生部員には何の責任もない。責任を問われるとしたら、監督責任を果たせなかった校長や監督たちであって、自分たちが辞めるのに罪のない選手を道連れにすることはないだろう。
 最近の高野連は、部員の不祥事があっても当該部員の出場停止のみにとどめ、連帯責任は問わない方向にあった。しかし今回の件は2度目ということもあり、高野連としても苦しい判断を迫られたはずだ。出場辞退という学校(校長)の決定は、そうした高野連の苦衷を察しての判断だったかもしれない。なぜ、その気遣いを生徒に対してはしてやらなかったのか。
 もう一つの問題は、飲酒・喫煙に対する制裁が重すぎないかということだ。未成年者の飲酒や喫煙が良くないのは当然だが、街を歩けば制服を着た子供たちが平気でタバコを吸っているし、飲み屋では明らかに未成年者とわかる若者にアルコールを提供している。それを野放しにしておいて、単に野球部員だというだけでこれだけ重い社会的制裁を科すのは、大人にとって都合のよい責任転嫁のように思える。
 いずれにしても、個々の選手にとってはあまりにも酷ではないか。そこには教育者としてほんとうに必要な温かさや人権感覚がまったく感じられない。いくら美辞を弄しようとも、これでは真っ直ぐな若者が育つのかどうか不安だ。
 (2006.3.3)
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テーマ:社会ニュース - ジャンル:ニュース

  1. 2006/03/03(金) 18:45:15|
  2. 2006年
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

初コメントです

事件をおこした3年生にとっては高校3年間の思い出が甲子園優勝から何の罪もない後輩を出場辞退に追い込んでしまったという罪悪感に塗り替えられてしまいました。

事件後のニュースでも誰をせめていいのかわからない、歯切れの悪い調子が続くだけですし。

こんな不条理な話はありませんね。
  1. URL |
  2. 2006/03/07(火) 14:21:45 |
  3. たなか #qbIq4rIg
  4. [ 編集]

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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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