太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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人の扱い、人への接し方

 新興企業や一部外資系企業のなかには、人を人とも思わないような会社がある。人を大切にしてきた伝統的な日本企業とは対照的だ。
 私たちは「人を単なる手段と考えてはいけない」と言い聞かされてきた。会社は一種のコミュニティ(共同体)であり、社員を仕事のための手段以上のものとして扱ってきた。ところが、評価軸がはっきりしていないので、結果的に内部の力関係や感情など不条理な要素で選別したり差をつけたりするようにもなった。ジェンダーをはじめさまざまな社会的差別は、その最も忌まわしい副産物である。
 一方、「人を人とも思わない」会社のなかには単純だが明確な評価軸を備えているところがある。「仕事さえしてくれればよい」、「仕事ができる社員が良い社員だ」というわけである。しかも仕事ができるかできないかは、やらせてみないとわからないから、「結果がすべて」だ。ずいぶん乱暴なようだが、その考え方を徹底すれば少なくとも理屈のうえでは不条理な差別の大半が無くなるはずである。
 個人的な人間関係でも、深い精神的な交わりを求める人は優しくて温かい反面、人の好き嫌いが激しく、同じ相手でも期待に応えられないと感情を損ねる難しさがある。それに対して功利的・打算的な人は、優しさや温かさに欠ける反面、誰とでも分け隔てなく接するし、はっきりした理由なく関係が破綻することもない。
 私たちは安易に両方を求めるが、どうすればそれに応えられるのだろうか。
 (2006.4.22)
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  1. 2006/04/22(土) 09:42:57|
  2. 2006年
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

伝統的な日本の企業

伝統的な日本の企業が少なくなってきていますね。
たぶん悲しい事だと思います。
でも変えていけると思います。
深い精神的な交わりを求める人は優しくて温かい反面、人の好き嫌いが激しく、同じ相手でも期待に応えられないと感情を損ねる難しさがある。それに対して功利的・打算的な人は、優しさや温かさに欠ける反面、誰とでも分け隔てなく接するし、はっきりした理由なく関係が破綻することもない。
 私たちは安易に両方を求めるが、どうすればそれに応えられるのだろうか。

答えはきっと簡単です。
  1. URL |
  2. 2006/08/22(火) 00:09:04 |
  3. 平床 樹志 #-
  4. [ 編集]

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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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