太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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痴漢冤罪について

 痴漢冤罪にあった体験をもとに制作された映画が封切られるという。
 痴漢冤罪はほんとうに厄介な問題だ。痴漢は許されないが、冤罪も許されない。刑事事件では、「疑わしきは罰せず」とか、「疑わしきは被告人の利益に」という大原則がある。ところが痴漢の場合には、その原則が近年軽視されているように思える。背景には、この原則を厳格に守っていると痴漢を防ぐことができないという現実論がある。「痴漢を疑われた人の人権も大切だが、痴漢にあった人の人権も大切だ。」というわけである。それはたしかにそのとおりだ。しかし、「多少の冤罪のリスクがあっても被害を防ぎ被害者を守らなければならない」という話になると大変危険だ。なぜかというと、個人による罪と国家による罪とを同一視しているからである。痴漢は個人による犯罪だが、冤罪はいわば国家による犯罪である。個人が罪を犯すからといって、国家が権力を用いて同じように罪を犯してよいという理屈にはならない。
 もちろん痴漢が横行する現状を放置するべきではない。しかし、それを解決するためには無実の人に罪を押しつけるようなリスクを冒すべきではなく、捜査能力の向上や物理的な環境整備(女性だけの専用車両には感心しないが)など正攻法で臨まなければならない。

(2007/1/20)
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  1. 2007/01/20(土) 11:39:02|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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