太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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厳罰にみる「いじめ」体質

 横綱の朝青龍、フィギュアスケートの織田選手にあいついで厳罰が下された。世論は「おおむね妥当」と受け止めているようだ。朝青龍については、「もっと厳しくてもよい」という声さえ聞こえる。
 こうした厳罰、そして世論の反応に「いじめ」の本質をみるように感じたのは私だけだろうか?
 織田選手のケースはひとまずおくとして、朝青龍の不祥事はとくに法をを犯したわけでないし、だれかに特別な危害を加えたわけでもない。正式な診断書をもらって、「安静にしろ」と言われたのにしなかっただけである。巡業先に迷惑をかけたこと、ファンの期待を裏切ったこと、横綱の品格・・・等々、厳罰を正当化する理由はいろいろあるかもしれない。
 けれども、他の力士の不祥事、たとえば禁止されているにもかかわらず車を運転して死亡事故を起こしたケースや、取材記者に暴力をふるったケースなどに比べて、今回の制裁はあまりにも重く、それが角界の看板である横綱によるものだという事実を考慮しても明らかに均衡を失している。とりわけ4ヶ月間も軟禁状態におくといった処分は陰湿そのもので、人権侵害にも当たるのではないか。
 特待生問題への対処、公務員の不祥事に対する厳罰化などにも共通するのは、厳しい姿勢を示すことで世論に迎合するトップの姿勢が透けて見えることである。相手は落ち度があり、しかも反論することのできない人たちである。
 「正義」対「悪」の図式をたてて、無抵抗な相手を一方的に処罰する。そして、だれも相手を擁護しようとしない。朝青龍の件でも、弁護士会などに人権救済の動きが出てこないのは不思議だし、情けなく思う。
 学校や地域のいじめだって、発端はたいていがいじめられる側の落ち度である(その落ち度が大きいか小さいかは別にして)。いじめをほんとうになくそうと思えば、きれい事を並べるだけではなく、こうした日本的体質にメスを入れなければならない。

(2007/8/4)
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  1. 2007/08/04(土) 08:12:28|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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