太田肇 Critical Essays ”個の視点”

同志社大学政策学部教授 (個人尊重の組織論、モチベーション論)  日常生活のなかで疑問に感じたとき即座に書いたものがほとんどです。不完全な内容や思い違いがあるかもしれませんが、お許しください。

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また、公務員について

 公務員の服務に関するニュースは絶えない。今日もまた、「税金は一円たりとも無駄にしてはならない」という知事の訓辞があったことや、通勤手当をもらいながら週に2,3回、自動車通勤していた地方公務員が停職3か月の処分を受けたことなどが報じられた。
 これを親子の関係に置き換えてみよう。親が汗水たらして稼いだ大切なお金だから、「小遣いは一円たりとも無駄にしてはいけない」というのが前者。後者の方は、昼食代をもらいながらハンバーガーを食べて小遣いを浮かせていたようなものだ。
 いずれにしても、親がそれを厳しくとがめたり厳罰を与えたりすることで、子は親孝行しようとか、頑張って勉強しようとか思うようになるだろうか? 怒られるので次から気をつけよう、とはするだろうが。逆に、「お金のことは心配しなくてもよいからしっかり勉強しろよ」といった方が、はるかにやる気をだすし、与えたお金も生きるに違いない。
 私がいつも不満なのは、マスコミの公務員に対する批判がインプットに偏っていて、アウトプットすなわち仕事の成果についてはほとんど触れられないことだ。税金が「無駄」に使われているか否かだって、どれだけの成果をあげているかによって決まるものだ。給料や勤務時間の方ばかり重箱の隅をつつくような話をして、仕事の成果についてはほとんどノーチェックというのが実状ではないか。
 市民の立場からすると、仕事をしない公務員には一円の給与も払うべきではないが、仕事さえしっかりしていたら文句をつける必要はないし、暇なときに少々さぼっていてもよいではないか(職務専念義務というルールはあるが)。それこそが「民間の感覚」だろう。一方では「税金から給料をもらっている立場」を強調し、他方では「民間では・・・」というダブルスタンダードもどうかと思う。
 コスト対パフォーマンスの効率性を考えない組織と、まじめなだけが取り柄(それだけが大切な職場もあるが)の公務員ばかり増えることがいちばん心配である。

(2008/3/26)   
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  1. 2008/03/26(水) 18:04:12|
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プロフィール

太田 肇

Author:太田 肇
<ホームページ>
http://www.eonet.ne.jp/~ohtahajime/

<職業>
「組織学者」としておきます。

<主な研究分野>
組織論
とりわけ、「個人を生かす組織・社会」について

<肩書き>
同志社大学 政策学部・大学院総合政策科学研究科教授
経済学博士

<著書>
◆最新刊 『最強のモチベーション術 人は何を考え、どう動くのか?』(日本実業出版社)

『個人を幸福にしない日本の組織』(新潮新書)
『社員の潜在能力を引き出す経営』(中央経済社)
『がんばると迷惑な人』(新潮新書)
『子どもが伸びる ほめる子育て』(ちくま新書)
『組織を強くする人材活用戦略』(日経文庫)
『表彰制度』(日本表彰研究所との共著 東洋経済新報社)
『社員が「よく辞める」会社は成長する!』(PHPビジネス新書)
『公務員革命』(ちくま新書)
『承認とモチベーション -実証されたその効果-』(同文舘)
『「不良」社員が会社を伸ばす』(東洋経済新報社)
『「見せかけの勤勉」の正体』(PHP研究所)
『認め上手  -人を動かす53の知恵-』(東洋経済新報社)
『認められる力』(朝日新書)
『日本的人事管理論』(中央経済社)
『承認欲求』(東洋経済新報社)
『お金より名誉 のモチベーション論』(東洋経済新報社)
『「外向きサラリーマン」のすすめ』(朝日新聞社)
『認められたい!』(日本経済新聞社)
『「個力」を活かせる組織』日本経済新聞社)
『選別主義を超えて』(中公新書)
『ベンチャー企業の「仕事」』(中公新書)
『個人尊重の組織論』(中公新書)
『ホンネで動かす組織論』(ちくま新書)
『囲い込み症候群』(ちくま新書)
『仕事人(しごとじん)の時代』(新潮社)
『仕事人と組織』(有斐閣)
『日本企業と個人』(白桃書房)
『プロフェッショナルと組織』(同文舘)

<生活信条>
できるだけ人に迷惑をかけないこと。恩を忘れないこと。

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